* この投稿は米国時間 8 月 4 日、Technical Program Manager である Debosmita Das と、Technical Lead Manager である Mike Lau によって投稿されたもの(投稿はこちら)の抄訳です。

2016 年に Open Compute Project(OCP)に参加して以来、私たち Google は Facebook と積極的に協力し、新しい Open Rack Standard 仕様の策定に取り組んできました。そしてこのたび、OCP Incubation Committee を通じて OCP との連携を進め、Open Rack Standard V2.0 を標準案として発表しました。

V2.0 では、48 V の電源アーキテクチャや、モジュラー型で奥行きの浅いフォーム ファクタが規定されます。このフォーム ファクタにより、スペースが限られたデータセンターに OCP ラックを高密度でデプロイすることが可能になります。
Google は、48 V ペイロードを使用した POL(Point-of-Load)技術による 48 V エコシステムを開発しました。そして、このような高効率の高可用性システムを 2010 年から大規模にデプロイしています。

こうしたシステムでは、12 V ソリューションと比べて大幅に無駄が省かれ、効率が上がっています。48 V 電源における SPUE(Space Usage Effectiveness : スペース使用効率)の改善のおかげで、Google は数百万ドルの費用と数百万 kWh の消費電力量を節約できています。

Open Rack Standard への Google の貢献は、Google の社内チームと業界パートナーが、Google が長年培ってきた設計ノウハウを生かし、48 V アーキテクチャを進化させた経験に基づいています。

私たちが標準案として発表した Open Rack Standard V2.0 は、メカニカル仕様と電力仕様だけでなく、設計も従来の 12 V アーキテクチャをベースにしています。V2.0 では、48 V パワーシェルフ、高効率の整流器、ラック管理コントローラ、ラック レベルのバッテリ バックアップ ユニットの設計の細部まで、総合的なアプローチがとられています。

私たちはこうした設計を OCP コミュニティに公開し、フィードバックを求めています。そして、2016 年中にそれらを OCP Foundation に提出し、レビューを受ける計画です。ちなみに、8 月 10 日にニューハンプシャー大学で開催された OCP Engineering Workshop では、この標準案のプレゼンテーションを行いました。


Open Rack Standard V2.0 が承認されれば、Google として初の OCP コミュニティへの貢献となります。この標準案の目的は、12 V から 48 V へのアーキテクチャの移行を、48 V ペイロードのためのすぐに使えるデプロイ ソリューションで橋渡しすることにあります。

新しい技術や機会を開発し続ける中で、導入者やコントリビューターとコラボレーションを続けていくことを、私たち Google はとても楽しみにしています。

- Posted by Debosmita Das, Technical Program Manager and Mike Lau, Technical Lead Manager